C#の式木について勉強しながら、勉強したことの理解を書いていきます。
式木ってなに?
式木(Expression tree)とは、式(数式)を木構造で表したものの事です。
以下の様な式を例にします。
int result = 5 + 7 * 3; // result == 26
この式をみるとき、加算演算子(+)をAdd関数、乗算演算子(*)をMultiply関数とするとこんな感じですね。
int result = Add(5, Multiply(7, 3));
ちょっと改行とかインデントを入れてみます。
int result = Add( 5, Multiply( 7, 3 ) );
なんとなく木構造にみえてきませんか?図にしてみます。
はい、どーみても木です。このように式は木で表現することができます。これが式木です。
なににつかうの?
式が木で表せることがわかりました。しかしこれは何の役に立つのでしょうか。
式を組み立てることができる
木構造を作ってあげる事で、好きな式を組み立てることができるようになります。
式を分析することができる
式を木構造にしてやることで、式を分析することができます。
つまり...どういうことだってばよ?
プログラム(式)を作ることができます。またプログラム(式)を分析することができます。
C#での式木
C#(.NET Framework)では式木を扱うための仕組みが用意されています。
System.Linq.Expressions 名前空間に式木を扱うためのオブジェクトが揃っています。
C#の中で式木をオブジェクトとして扱えるということは、C#の中でC#を書くというようなことができるということです。
つまり、プログラムの中でプログラムを作ったり、分析したりできます。いわいるメタプログラミングが可能になります。
さっきの式を組み立ててみる
さっきの簡単な式をC#で組み立てる例を示します。
// 式: 5 + 7 * 3 Expression body = Expression.Add( Expression.Constant(5), Expression.Multiply( Expression.Constant(7), Expression.Constant(3) ) );
このように、式は Expression型 として扱います。Expression型にはいろいろな式を表すための派生型が用意されています。
Expression型にファクトリメソッド(上の例のAddメソッドやConstantメソッドなど)が用意されているので、そこから各派生型のExpressionを作成できます。
加算演算子はAddメソッド、乗算演算子はMultiplyメソッドで作れます。5, 7, 3 などの定数はConstantメソッドで作れます。
このようにして作った式を実行したい場合は、以下のようにします。
Expression<Func<int>> lambda = Expression.Lambda<Func<int>>(body) // () => 5 + 7 * 3; Func<int> func = lambda.Compile(); int result = func(); // result == 26
まず、Expression.Lambdaメソッドを使って、作った式をラムダ式に変換します。この場合は「() => 5 + 7 * 3」というラムダ式ですね。
次に作ったラムダ式を実行可能なデリゲートへコンパイルします。
コンパイルした後は通常のデリゲートと同じなので、普通に実行できます。
まとめ
式木を使うことでC#でメタプログラミングができます。プログラムのなかでプログラムを作るという面白いことが可能です。
こんどは
次は実際に式木がどんな事に役に立つのか、みてみたいと思います。
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